どうも、しょうきです。
先日、YouTubeにて魔法少女山田(1)が100万回再生を記録しました。
「TXQ FICTION」が製作した『イシナガキクエを探しています』から注目していましたが、この『魔法少女山田』は今年度間違いなく影響を与えたコンテンツといえるでしょう。
そこで今回は、『魔法少女山田(3)』の解説&考察をしたいと思います。
以前取り上げた記事は、魔法少女山田の(1)(2)を中心に解説・考察をして(3)は敢えて外して書き上げましたが、ある程度時間も経ち、尚且つ(1)の動画100万回再生ということで改めて(3)を記事にしました。

今回は『魔法少女山田』のネタバレ全開となりますので、未視聴の方は本編を視聴してからをおすすめします。
それではいってみましょう。
謎が明らかになった魔法少女山田(3)
『魔法少女山田』は、テレビ東京のドラマ枠「TXQ FICTION」の第3弾。
前向きな歌に潜む不穏さや、人の記憶・トラウマなどをテーマに、「唄うと死ぬ歌」という謎の歌の真相を追うモキュメンタリー風作品。
貝塚陽太という青年が、歌との“聞き覚え”“既視感”をきっかけに調査を始め、視聴者も番組を通してその真相を少しずつ知っていく内容。
現在テレビ東京YouTubeにて『魔法少女山田』を含めた「TXQ FICTION」の動画が視聴可能。
(1)(2)で「唄うと死ぬ歌」のことを調べていた貝塚陽太は、その歌を制作した山田正一郎氏(故)をドキュメントした映画を監督した三田愛子と直接会う。

そこで「唄うと死ぬ歌」は山田氏が作った曲だということが分かり、最後に事務員として働いていた幼稚園のことを聞いた。そこで貝塚が通っていた幼稚園と山田氏が働いていた幼稚園が同じということを確信した。
その後、10年以上前に閉園した幼稚園を訪れた貝塚。
幼少期に通っていた教室を懐かしむが、その際になぜか魔法少女の仮面を被り自身撮影する。

続いて(1)のテレビ番組で出演していた日下部萌花の家に行く。
その際に「思い出したことがあったが、知らない方がいい…」と言われてしまうが貝塚は、より一層不安を覚えてしまう。
さらにライトノベルの投稿サイトにも、「魔法少女が子供たちの前で歌を歌って空を飛ぶ」という内容の小説で、その中に「唄うと死ぬ歌」と同じ歌詞が書かれていた。
おそらくその作者も同じ幼稚園に通っていたと28名のクラスメートの1人だと確信する。

そして当時の幼稚園に何かがあったと確信した貝塚は、その幼稚園の元園長である久野敏夫氏のもとを訪れ何があったのか問いただす。

そこで「山田氏は心不全で亡くなった」と久野氏は言うが、貝塚は「心不全ではない」と主張する。
倒れた久野氏を尻目に貝塚は逃げるように久野氏の家を後にする。

場面は変わり三田と貝塚が会話するシーンとなり、その中で「ある動画を入手した」と言い、そして三田は「これ作品にしていいですか」「ドキュメンタリー映画(として)公開してもいいですか?」と貝塚に伝え、「あとはおまかせします」という貝塚。

スタッフロールのあと映像が流れる。
その映像は、おそらくその当時の幼稚園の監視カメラの映像で、その中には山田氏と思われる中年の男性が教室から出るのが映っていた。
その後、魔法少女に扮した山田氏が教室に戻り園児に語り始める。
こんにちはー!
皆よく聴いてくださーい!
魔法少女山田でーす!
今日はとっても大事な授業をします。
私の最後の授業です。
大丈夫かな?
みんな、いつものお歌を歌いましょう。
よく聴いて歌って下さい。(聞き取り自信なし)
では始めまーす!
(合唱開始)
あの歌が流れる、子供たちが歌う。その途中で何か物が動く音。次第に子供たちの声が消える。
そして歌が終わると何か言葉を言っている子供たちの声で映像が終わる。
「唄うと死ぬ歌」の正体

この(3)で明らかになった「唄うと死ぬ歌」の正体は、山田氏が園児たちの目の前で自〇をしてトラウマという魔法をかけたということ。
そしてその記憶に蓋をして、何らかのショックでその記憶が蘇ってしまった者もいるということである。
このようにトラウマから身を守るために脳が記憶を消してしまうことが実際にあるらしいです。
- 解離性健忘(Dissociative Amnesia)
強いストレスや心的外傷を体験したとき、その出来事に関連する記憶が抜け落ちてしまう状態。たとえば虐待や事故、災害、戦争体験などの一部を“思い出せない”ことがあります。脳の損傷ではなく、心が自分を守るために記憶を遮断すると考えられています。 - PTSD(心的外傷後ストレス障害)に伴う記憶障害
トラウマ体験をした人が、出来事の一部を思い出せない一方で、フラッシュバックのように断片的に鮮明に思い出すこともあります。記憶が「抜ける」部分と「過剰に鮮明な部分」が混在するのが特徴です。 - 子どもの頃のトラウマと記憶
幼少期の虐待や不適切な養育の記憶が、大人になってから断片的にしか思い出せないケースもあります。これは「抑圧された記憶」として語られることもありますが、心理学的には記憶の再構成や曖昧さも伴うため慎重に扱われます。
ただし完全に消えてしまうというより、「思い出せなくなる(心的ブロック)」「断片的にしか覚えていない」「フラッシュバックとして突発的に蘇る」といった形で現れることが多いです。
貝塚と萌花、そしてそれ以外の園児たち数名が、目の前で起きたトラウマが呼び戻されたということになります。
なぜ山田氏はそんなことをしたのか?

ではなぜ山田氏は園児たち対してそのような行動をとったのでしょうか?
動画本編では明確な答えは作中では語られませんでしたが、作品の流れや現実の心理学的背景をふまえると、いくつかの解釈ができます。
1.教育者としての「最後の舞台」
山田は「魔法少女」として園児に夢や希望を与える存在になろうとしていました。
教師としての夢を失い、家庭も失った彼にとって、園児の前が唯一の「存在を肯定される場所」だった。
そのため、自分の終わりも「園児の前で」と無意識に選んでしまった可能性があります。
2.「唄うと死ぬ歌」とのつながり
山田が作った歌には「命」や「消失」を暗示するような不気味さがあります。
彼自身もその歌に取り込まれ、「歌とともに消える」ことを選んだのではないか、という解釈も成り立ちます。
もし園児たちに“忘れられない記憶”を残す意図があったなら、それは教育というより「呪い」に近い行為だったと考えられます。
3.心理的な追い詰められていた
(2)で山田氏は「離婚」「教員採用試験の不合格」というつらい状態でした。
その追い打ちをかけるように幼稚園では職員たちから孤立していたことが判明しました。
おそらくその様な身体的ストレスが重なり、強い抑うつ状態に陥っていた可能性が高いです。
うつ状態の人は「自分にはもう価値がない」と思い込みやすく、同時に「最後に人の役に立ちたい/何かを残したい」とも願うことがあります。
そのねじれた形が「園児たちの前での死」という行動になった、とも読み取れます。
あとがき

今回は魔法少女(3)で明らかになった真相について解説しました。
(1)の時に流れた「唄うと死ぬ歌」の正体が、まさかこんな衝撃的な真相だったとは思いもよらなかったです。
「TXQ FICTION」は今回も期待以上の作品を見せてくれました。
しかしすべての謎が解明されたわけではありません。
まだ明かされていない謎が沢山あります。
今回その謎も書くと長くなってしまいますので、それはまた次回改めて記事にしたいと思います。
ということで、以上しょうきでした。
コメント