「なんだこれは!」話題沸騰『タローマン』の魅力とでたらめ精神を徹底解説

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どうも、しょうきです✨

みなさんは2022年の夏に突如としてNHK Eテレの深夜に現れ、SNSで瞬く間に話題を席巻した『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』をご存知でしょうか?

「なんだこれは!?」という驚きと困惑そして抗えない魅力で多くの人々を虜にしたこの番組は、単なる特撮番組の枠を超え日本を代表する芸術家・岡本太郎の思想を「体感」させる稀有な作品として今なおその影響力を広げ、そして今年の夏にまさかの劇場版『大長編 タローマン 万博大爆発』を8月22日に公開になりSNSで再び注目されています!

今回はそんな『タローマン』の「でたらめ」で「べらぼう」な世界観と、作品に込められた岡本太郎の哲学について深掘りしてご紹介します😊

しょうき

これであなたも『タローマン』の癖になる魅力にどっぷりハマると思いますよ✨

ではいってみましょう!!

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目次

でたらめをやってごらん:『タローマン』とは何か?

『タローマン』は「1970年代に放送されていた特撮ヒーロー番組」という体裁で制作された、いわば壮大なモキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)です。

この企画は、NHK・NHKエンタープライズが主催する「展覧会 岡本太郎」のプロモーションとして始まり、監督の藤井亮さんは「岡本太郎を題材にしたドラマやドキュメンタリーはすでに名作が多く、その中で勝負するのは難しい」と感じ、そこで着想を得たのが「特撮」でした。

特に、岡本太郎の代表作である『太陽の塔』を「これはもう怪獣だ」と捉えたことが番組制作の軸となり「あのスケールの大きさと衝撃を表現するには、巨大なものが暴れる特撮映像が一番いい」という監督の思いが込められています。

制作にあたっては、実際に1970年代の特撮番組を手がけてきた円谷プロダクションに意見協力を求めたり、あえて現在は使用しない撮影技法を用いたりするなど徹底したレトロな質感が追求されました。

こういう時の円谷のノリの良さは流石✨

しょうき

こういう時の円谷のノリの良さは流石✨

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自分の歌を歌えばいいんだよ:『タローマン』のでたらめな世界

『タローマン』の各話のタイトルや内容は、岡本太郎の残した強烈な言葉や思想がモチーフになっており、番組では岡本太郎の思想を「映像表現として生き返らせた」試みがなされて、芸術と娯楽が融合した唯一無二の世界観を築いています。

1. 「芸術は爆発だ!」の真意

タローマンの必殺技「芸術は爆発だ!」は、両手を顔の前に持ってきて一気に広げ、色とりどりのエネルギーを発射して相手を粉砕するというものです。

しかし、岡本太郎がこの言葉に込めた真意は一般的な「爆薬的な意味合い」とは異なります。

彼にとって「爆発」とは、「音もなく、宇宙に向かって精神が、命がぱあっと開く。無条件に、それが爆発だ」という、精神の解放を意味していました。

タローマンがこれを攻撃として使うことは岡本太郎の思想の真逆とも言えますが、同時に「決めつけを嫌う」という太郎自身の精神に通じる部分もあります。

2. 「なんだこれは!」と「でたらめ」精神

番組を象徴するフレーズの一つが「なんだこれは!」です。

これは観客に意味を理解できなくても理屈で納得しなくてもいい、ただ強烈な違和感や混沌を感じてほしいというメッセージが込められています。

『タローマン』における「でたらめ」は、単なる奇抜さや無計画さではありません。

それは、固定観念をぶち壊すための創造的な行為として位置づけられています。

この「でたらめ」を追求する姿勢は、岡本太郎が「危険な道を行け」という言葉で示した精神と共鳴しています。

3. 「真剣に、命がけで遊べ」と自己模倣の否定

岡本太郎の言葉に「真剣に、命がけで遊べ」があります。

タローマンはまさにこの言葉を体現し、時に鬼ごっこをしたり、好かれることで戦意を喪失したりするなど遊びと真剣さの境界が曖昧な行動を見せます。

またタローマンは「自己模倣を絶対に許さない存在」として描かれています。

第4話ではマンネリ化を嫌って自らを縛り助けに来た自己模倣の存在であるタローマン2号もろとも奇獣を爆殺するという衝撃的な行動に出ます。

これは「同じことを繰り返すくらいなら死んでしまえ!」という岡本太郎の言葉を忠実に、しかし狂気的に実践しているかのようです。

4. 「対極主義」と「べらぼう」

岡本太郎が提唱した「対極主義」とは、無機と有機・抽象と具象・愛憎・美醜といった対極する要素を調和させずに引き裂かれた形を共存させることで猛烈な不協和音を生み出し精神の高揚を促すという芸術思想です。

タローマンの造形や行動そして作品全体から受ける混沌とした印象は、まさにこの対極主義を視覚化したものと言えるでしょう。

また岡本太郎は「べらぼうなことをやりたい」と公言していました。

これは、勤勉で真面目だがスケールの小さい日本人に対し心を外に打ち開かせ、人間本来の生命を打ち出す「べらぼうなもの」をぶつけるという強い願いが込められています。

万国博覧会を「国家が主導する産業文化の見本市」とは異なる、人間生命の根源的なイメージを突き立てる「祭り」と捉えていたのです。

なま身の自分に賭ける:個性豊かなキャラクターと世界観

『タローマン』の世界には、岡本太郎の作品が奇獣やキャラクターとして多数登場します。

  • タローマン
    シュールレアリスム星出身の身長55m、体重5万2千tの巨人。頭部は『若い太陽の塔』、身体の赤いラインは『太陽の塔』がモチーフ。でたらめ拳法の使い手で、108の技を持つとされています。
  • 奇獣
    岡本太郎の芸術作品をキャラクター化した存在。例えば、「森の掟」「歓喜」「未来を見た」「駄々っ子」「疾走する眼」「みつめあう愛」「太陽の塔」などが登場し、それぞれが岡本太郎の言葉と関連付けられています。
  • 地球防衛軍(CBG)
    地球を危機から守る特殊防衛組織。隊長、新人隊員、風来坊、マミ隊員、中年隊員、少年隊員など、それぞれにユニークな(そして架空の)設定と俳優のプロフィールが与えられています。特に風来坊は未来から来たサイボーグ、少年隊員はIQ200の天才など、奇妙な設定が盛り込まれています。
  • 解説
    サカナクションの山口一郎が「タローマンマニア」として登場し、真顔で架空の幼少期の思い出や、存在しないはずの「タローマンコレクション」について語ります。このパートが、作品のモキュメンタリー性を一層高めています。
  • 主題歌「爆発だッ!タローマン」
    岡本太郎の言葉と藤井亮の作詞、林彰人の作曲による主題歌は、作品のエネルギーを象徴しています。

好かれるヤツほどダメになる:広がる反響と未来への「大爆発」

『タローマン』は当時5分間の短い番組ながらティザー映像の再生回数が80万回を超え、放送開始直後からSNSで大きな反響を呼びました。

愛好者による二次創作も盛んに行われ急遽再放送が決定するほどの人気ぶりでした。

そして2025年には長編映画『大長編 タローマン 万博大爆発』の公開が発表されました。

物語は、現在の2025年ではなく「1970年代頃に想像されていた未来像」としての「昭和100年」を舞台に万博を消滅させようとする奇獣たちにタローマンが立ち向かうという「でたらめ」な展開が描かれます。

藤井監督は長編化に際し「手探りで進めていった」と語り、1970年代の児童書に描かれた未来の想像図を世界観の大きな拠り所にしたと明かしています。

この映画は北米最大級の映画祭である「ファンタジア国際映画祭」でクロージング上映した際、世界中から「What Is This!?」と驚嘆の声が上がること必至と注目されています。

しょうき

あのシュールな世界観は世界共通みたいですなw

なま身の自分に賭ける:監督藤井亮が貫く「孤高の精神」

この前代未聞の作品を生み出したのは、映像作家・クリエイティブディレクターの藤井亮監督です。

彼は株式会社豪勢スタジオを設立し「考え抜かれたくだらないアイデア」で話題のコンテンツを数多く手がけてきました。

藤井監督の創作姿勢は狂気的とも言えるストイックさに支えられていて、本作の全カットの絵コンテを自ら描き上げ、イメージのブレのない強い表現を実現しています。

しかし単に奇抜なものを作るだけでなく「でたらめ」でありながら観客を飽きさせない物語を両立させることに最も苦心したと語っています。

岡本太郎の言葉に「相手に伝わらなくてもいいんだと思って、純粋さを貫けば、逆にその純粋さは伝わるんだ」というものがあります。

藤井監督は、自身の制作がこの言葉を地で行くものか分からなかったとしつつも「デタラメで面白いものを作るということだけはぶらさずにやっていきたい」という思いを貫いています。

彼は岡本太郎の思想に強く共感しながらも、決して模倣はせずあくまで自身の表現を自身のやり方で貫き通すという「孤高の精神」を原動力としています。

芸術は爆発だ:『タローマン』が問いかけるもの

ということで今回は『タローマン』の紹介と解説をしました。

『タローマン』は単なる特撮パロディや岡本太郎の伝記作品ではありません。

それは観る者の「なんだこれは!」という感覚を刺激し、既成概念を打ち破ることを促す「体験させる装置」として構成されています。

現代社会において、誹謗中傷を恐れて無難に生きようとする風潮がある中で『タローマン』の「でたらめで行こうぜ」というメッセージは、多くの人々の心に響いています。

子どもたちが岡本太郎の作品を指差し「駄々っ子だ!」「未来を見たよ!」と嬉々として語る姿は、岡本太郎が目指した「芸術は大衆のもの」という哲学が虚構のヒーローを通して現実世界で生きている証と言えるでしょう。

『タローマン』は私たちに「自分の感覚を信じろ」「既成概念を壊せ」という強烈なメッセージを投げかけます。

この「でたらめ」な作品が、今後もどのような「爆発」を起こしていくのか私たちは期待と混沌の中で見守り続けることになるでしょう。

現在『タローマン』を配信で観るにはU-NEXT・Hulu・Amazonプライムで観ることが出来ます(現時点ではサブスクに加入しないと観れないので注意)

またNHKのて8月26日(火)午前2:50~午前3:30に『おやすみタローマン』、28日(木)24:30~&30日(金)にはタローマン10本一挙再放送が放送されます。

そして劇場版『大長編 タローマン 万博大爆発』を8月22日に公開でこの記事を作成時には日にちが近づいていると思います。

しょうき

俺は映画を絶対観に行きますよ!
映画情報記事も近日書こうと思っています。

てなわけで以上しょうきでした✨


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